漢文を素読しよう  NO3 

                     

 

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(一)	素読と音読との使い分け
 
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一般的には音読と素読とは同じ事になっています。
但しこのメルマガにおいては違う内容にしています。
 
◎素読ー性善説の内容、論語、言志四録、孟子などを声を
出して唱和することを素読と称しています。
意味、解釈はしないで素読して潜在意識に浸透させるように
しています。
意味不明な語彙を潜在意識に刻印しますと潜在意識は解明
するまで考求を続けます。
長期の間、知識とならない語彙が潜在に蓄積されることが
人間としての深み、厚みとなり意味、解釈は時間経過により
深い味わいのある善考的人間を育成して行動力、判断力を
養成されていきます。
 
○音読ー性悪説の内容、荀子、韓非子などを声を出して唱和
することを音読と称しています。
この場合は音読する前に意味、解釈を行い充分に顕在意識
に明確にしてから声を出して唱和し顕在意識に浸透させる
ことを目的に行います。
 
従い素読は潜在に善悪意識の錬磨を目的として行います。
  音読は顕在に損得意識を育成を致します。

 

 
(二) 漢文を素読しよう。
 言志四録  佐藤一斎 
     九、            九、十、の素読唱和ークリック
君子、有徳之称。 有其徳則有其位。
 
視徳之高下 為位之崇卑。
 
及叔世有無其徳而居其位者。
 
則君子亦遂有専就在位而称之者。
 
今之君子 蓋知冒虚名之恥。
 
十、
 
人須自省察 天何故生出我身。
 
使我果供何用。 我既天物。
 
必有天役 天役弗共 天咎必至。
 
省察到此。 則知我身之不可苟生。
 
十一、  十一、十二、十三素読唱和ークリック
権能軽重物 而不能自定其軽重。
 
度能長短物 而不能自度其長短。
 
心則能是非物 而又自知其是非。
 
是所以為至霊歟。
十二、  
 
以三代以上意思。 読三代以上文字。
十三、
 
為学 故読書。
十四、  十四、十五素読唱和ークリック
 
吾既有資善之心。 父兄師友之言。
 
唯恐聞之不多 至於読書亦得不多乎。
 
聖賢所云多聞多見。 意正如此。
十五、
 
修辞立其誠。 立誠修其辞。 其理一也。
(三) 新たな素読の読み下し
 
 言志四録   佐藤一斎
十六、  十六、十七、十八、十九の素読唱和ークリック
 
栽()うる者はこれを培(つちか)う。
 
雨露固より生生なり。
 
「傾く者はこれを覆す」
 
霜雪もまた生生なり。
 
七、
静かに造化の跡を観るに、
 
皆その事なき所に行わる。
十八、
 
凡そ事の妙処に到るは、
 
天然の形勢を自得するに過ぎず。
 
この外更に別に妙なし。
十九、
 
面は冷なるを欲し、背は煖なるを欲し、
 
胸は虚なるを欲し、腹は実なるを欲す。
二○、  二〇、二一、二二の素読唱和ークリック
 
人の精神尽く面に在れば、
 
物を逐いて妄動するを免(まぬが)れず。
 
須らく精神を収斂し、
 
これを背に棲まさば、方に能くその身を
 
忘れて而も身真に吾が有とならん。
二一、
 
心下痞塞(ひそく)すれば百慮皆錯る。
二二、
 
間思雑慮の紛紛擾擾たるは外物
 
これを溷(みだ)すに由るなり。
 
常に志気をして剣の如くし
 
一切の外誘を駆除して、
 
敢えて肚裏に襲近せざらしめば、
 
自ら淨潔快豁なるを覚ゆ。

 



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