、            漢文を素読しょうNO,10

                     

                     

 

 
目次ページ 前 ペ ー ジ  次ページ
 
 
(一) 性善説と性悪説の学び方
 
    読み上げAITALKのぞみ<<クリック
 
現在性善説である言志四録の素読を行っていますが近日中に性悪説
 
 
である韓非子を学習する予定です。
 
 
昔から人間は性善説か、性悪説かと問われていますがこの解答は両方
 
 
であります。
 
 
●顕在意識は性悪説を基準とした考え方が主流であります。
 
 
○潜在意識は性善説を基準とした考え方が主流であります。
 
 
言い替えるならば性悪説(荀子、韓非子、マキャベリー)は顕在意識を
 
 
鍛え、学習する語句として使用します。
 
 
性善説(言志四録、論語)は潜在意識を練磨する語句として使用します。
 
 
性善説だけが必要でなく、性悪説も重要なのであります。
 
 
顕在、潜在意識も両方ともに鍛える必要があります。
 
 
現代人は顕在意識だけ、知識、理性だけを重要視して世渡りをしています。
 
 
隠れた意識、根っこの意識の潜在意識は土台、基礎となる意識を自らを
 
 
磨錬して置かなくてはなりません。
 
 
この性善説を今までのように顕在意識に覚えても何の助けにもなりません。
 
 
現代人は性善説を顕在意識に記憶して他人を批判する道具として使用して
 
 
います。
 
 
性善説は自らを律する 「ものさし」 として使用すべきです。
 
 
他人の言動は性悪説を基準として判断することを習慣とすることです。

例えば他人は自ら得、利益となる言動をすることを肝に命ずるべきです。
 
 
もし自ら腹を空かせていれば他人を押しのけて前に有る食べ物を横取り
 
 
して食べようとします。
 
 
この行動は顕在意識の行動であります。
 
 
潜在意識の善意識で考えるとこの行動は悪の行動となります。
 
 
先の東日本大震災にて日本人が略奪行為をしなかったことが外国人から
 
 
みると不思議だ、礼儀正しいと評価していましたが日本人の言動は日本語
 
 
の影響で理性が働いて公においては礼儀の外れた行為をしないことが
 
 
日本人の習わしとなっています。
 
 
しかし他から見えない所では知性を働かせ自分だけの利を求め悪さを
 
 
行っていきます。
 
 
潜在意識に善の語彙を刻印することで陰陽に関わりなく善の言動を自然に
 
 
行う人格になることができるようになります。
 
 
その為には意味不明のままの語彙を素読することが重要になってきます。
 
 
顕在意識に解釈させずに潜在意識へ刻印させることが必要です。
 
 
今までの教育ではいかに理解をさせて知識ばかりを増す教えをして
 
 
きましたが理屈ばかり、達者な人間を育成して我慢ができない、表面
 
 
だけで物事を判断する人格を養成してしまいます。

性悪説では(韓非子、荀子、マキャベリー)頭脳深く浸透させることが
 
 
ないように意味内容をはっきりと解釈する必要があります。
 
 
その後に音読唱和いたします。
 
 

 


        
(二)漢文を素読
 
 
言志四録  佐藤一斎
 
五四、  五四、五五、五六の素読音声ークリック

酒、穀気之精也。

微飲可以養生矣。
 
過飲至於狂。 是因薬発病也。
 
 
 
如人、附子、巴豆、大黄之類、
 
 
多服之必致瞑眩。
 
 
飲酒発狂亦猶此。
 
五五、
 
酒之用有二。
 
 
鬼神有気無形。
 
 
故以気之精者聚之。
 
 
老人気衰。
 
 
故亦以気之精者養之。
 
 
若少荘気盛之人、
 
 
祇足以致病已。
 
五六、
 
 
勤之反為惰、倹之反為奢。
 
 
余思酒能使人生惰、
 
 
又使人長奢。
 
 
勤倹可以興家、則惰奢足以亡家。
 
 
蓋酒為之媒也。
 
 

 

(三) 新たな素読
 
 
言志四録  佐藤一斎
五七、         五七、五八、五九、六〇の素読音声ークリック
 
草木を培植して、以て元気機緘の妙を観る。
 
 
何事か学に非ざらん。

五八、
 
山嶽に登り、川海を渉り、数十百里を走り
 
 
時有ってか 露宿して寝ねず、
 
 
時有ってか 餓えて食わず、寒に衣ず、
 
 
此れは是多少実際の学問なり。
 
 
夫()の徒らに爾()く明窓浄几(めいそうじょうき 
 
 
香を焚き書を読むが若き、
 
 
恐らくは力を得る処少なし。

五九、
 
凡そ遭う所、患難変故・屈辱 讒謗(ざんぼう
 
 
払逆の事は皆天の吾が才を老する所以にして
 
 
砥礪(しれい)切磋の地に非ざるはなし。
 
 
君子は当に之に処する所以を慮るべし。
 
 
徒に之を免れんと欲するは不可なり。
 
六〇、  
 
古人は経を読みて以て其の心を養い、
 
 
経を離れて以て其の志を弁ず。
 
 
則ち独り経を読むを学と為すのみならず、
 
 
経を離るるも亦是れ学なり。

inserted by FC2 system