漢文を素読しょうNO,11

                     

 

 

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一)道徳と経済との調和
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仁義と富貴との中庸を保つことの必要性
 
道徳を主張し過ぎてしまい、利益を否定して儲けることは悪と決めつけて
 
しまうと社会に活力が無くなってしまい、国家が衰え弱くなってしまう。
 
中国では宋の時代が国家が衰え、モンゴルに攻められ元というモンゴル王朝
 
に支配されてしまった。
 
同じく毛沢東時代も同じ過ちを犯している、しかし30年前からは元時代と同じと
 
なり他人、他国はどうでも良い、自分、自国さえ儲ければ良い風潮になっている。
 
中国は他国のものは自国の物、他人のものは自分の物という考えがまかり通って
 
います。
 
国家は機能しなくなり国家の権威、信用はは失われていくでありましょう。
 
過去の歴史が物語っているように30年間で築いてきた儲けるだけの国家は
 
いっきに崩落するのです。
 
これは中国だけの問題でなく経済と道徳とを中庸を保ちつつ推進していく
 
ことが大切であります。

 

 
二) 性善説と性悪説との平衡
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人間世界は性善説か性悪説かを問えば、両説共に正しいと答えたい。
 
なぜならば顕在(表面)意識は性悪説となり、
 
     潜在意識は性善説となるからであります。
 
現在の国際社会は表面的には性悪的社会であります。
 
しかし潜在意識では性善説であり国民はそれを皆願っています。
 
この社会状況を見渡せば性悪的社会がまかり通っていますが決して
 
その一面が濃すぎるような面になれば性善主義社会に返ろうとする力
 
が蘇ってくるようにできています。
 
人間独り独りが顕在、潜在意識を持っておりますから陰過ぎれば陽を
 
生じて陽過ぎれば陰が生まれてくるのであります。

 
どちらにも偏ることなく平衡を保つのは人間の頭脳からそのように仕組み
 
が出来上がっています。
 
ある時は性悪的過ぎて、中庸に戻り性善に偏って又中庸にと波を描くように
 
なっています。
 
その戻り摩擦が激しい時に争いが生じて破壊、改革、創造、進歩発展を繰り
 
返して前進していくのであります。

 

 
(三) 漢文を素読
 
 
言志四録  佐藤一斎
  
五七、  五七、五八、五九、六〇の素読音声ークリック
 
培植草木、以観元気機緘之妙。

 
何事非学。
 
 
五八、
 
登山嶽、渉川海、走数十百里

 
有時乎、露宿不寝、

 
有時乎、餓不食、寒不衣、

 
此是多少実際学問。

 
若夫徒爾明窓浄几、

 
焚香読書、恐少得力処。
  
五九、
 
凡所遭 患難変故、屈辱讒謗、

 
払逆之事、皆天之所以老吾才、

 
莫非砥礪切磋之地。

 
君子当慮所以処之。

 
欲徒免之不可。
 
六〇、 

 
古人読経以養其心、

 
離経以弁其志。

 
則不独読経為学、

 
而離経亦是学。

 

 
四) 性悪説を解釈しよう。
 
 
韓非子を顕在意識に留めよう。
 
 
自分自身で意味、解釈を充分に行い簡単に唱和する程度にする。
 
 
1、安利(あんり)はこれに就(つ)き、危害はこれを去る。
 
  これ人の情なり
 
  
  安利者就之、危害者去之。 此人之情也

            (韓非子)
 
簡訳ー安全、利益を願い、危害から遠去かろうとするは人の情である。 

 
2、貧困に施与(しよ)するあらば、功なき者賞を得、
 
 
 誅罰(ちゅうばつ)に忍びずんば、暴乱の者止(や)まじ
 
 
 有施与貧困、則無功者得賞、 不忍誅罰、則暴乱者不止
 
 
                   (韓非子)
 
簡訳ー貧しい者にやたら施しを与えれば、
 
功なき者にも賞を与えることになる。
 
厳罰をためらえば、乱暴な行いは止まることがない。

3、輿人(よじん)、輿(よ)を成(な)れば、
 
  人の富貴ならんことを欲し、
 
  匠人(しょうじん)、棺(かん)を成れば、
 
  人の夭死せんことを欲す 
                       
                (韓非子)
 
漢文ー 輿人成輿、則欲人之富貴、 匠人成棺、則欲人之夭死也

簡訳ー 車を作る人は人の富貴に成ることを願い、
 
 
   棺桶を作る職人は人が早く亡くなることを願っている。
 
 
   自らの利益になるからである。 
 
                     
4、君(きみ)は計を以って臣(しん)を蓄(やしな)い、
 
 
 臣は計を以って君に事(つか)う。 君臣の交わりは計なり
 
 
漢文ー 君以計蓄臣、 臣以計事君。 君臣之交計也
 
 
簡訳ー君は損得計算で臣を雇っている、臣は損得計算で君に従っている。
 
 
   君臣の関係は損得計算そのものである。

              
5、禍(わざわい)は本福(もとふく)あるに生ず。
 
 
 故に曰く、福は禍の伏(ふ)す所なり
 
 
 漢文ー 禍本生於有福。 故曰、福兮禍之所伏
 

                  (韓非子)

    
簡訳ー 禍の元は福の中から生まれる。
 
    福は禍の中に隠れている。
 

 

 
 
 
 




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