漢文を音読しょうNO,19
 

                                                        

 
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(一)現代日本の陰陽
 
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非暴力〔陰)と暴力〔陽)−非暴力を信条としていたインドのガンジー
 
首相、アメリカのキング牧師は暗殺され亡くなっている。
 
非暴力〔喧嘩放棄)をしている者は、いじめを受け暴力を受け自殺に追い
 
詰められる。 陰〔非暴力)過ぎると陽〔暴力)を引き寄せることになる。
 
現代日本の大企業の経営者は性善的思想の考えを持っている者が多い。
 
大手デパートが銀行には多くの金を借りてあげて多額を儲けさせた従い
 
借金を棒引きにして欲しいと堂々と記者の前で公表した社長が15年前に
 
話題になった。
 
あまりにも、常軌を逸した言動は性善思想の極みが他人に責任を転嫁する
 
行い、甘えが出るのである。 他人は自分の思う通りにはならないという
 
性悪的考えがあればこんな言動は起こさない。
 
日本の場合は90%以上の中小企業が日本経済を担っているのであり、
 
その経営方法に性善説的管理が重要視されるが大会社となると性悪的
 
統率力を兼ねて行くことが重要になってくる。

  
この考えは今までの日本的考え方からすると憤慨、反論は心の内から湧
 
き上がって来ると思います。

  
しかし陰過ぎると陽を引付ける考えは人間の習性ですから敵を知ると
 
いう冷静な眼で俯瞰視していただきたいと思います。
 
 
 
(二) マキャベリー的思想
 
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1.友を洗う。
 
 
人間は倒産したり失敗すると今まで親友だと思った者も去って行く。
 
知人、友人、親戚 今まで集まってきたのは自らの人間、性格、
 
人徳のためでなく、単なる周囲は得、利を求めて集まっていたので
 
あることを知ることである。

   
ある大会社の部長を勤めていた者が、停年退職して新年を迎えて今
 
まで1000通以上の年賀状が30通しか来なかったことを嘆いて
 
いたが、本人個人の実力は辞めた時解るのである。
 
会社の役職が自分の実力だと誤解している人が非常に多いことを知
 
らなければならない。
 
ここであらゆる人間は 「落ちぶれた友人は捨てよ」と思っている
 
こと知るべきである。親友であっても身内であっても同じである。
 
心の底を鏡に写すことができればこの言葉の真実が証明できる。

  
  「君主〔社長)は人を捨てることを知れ」
 
  「君主は残酷と言う汚名を気にかけるべきではない」
 
2.君主は良い人と思われるより、恐れられる方が安全である。
 
 管理する人数が多くなるとに統率力が必要になってくる。7,8
 
 人の人数ならニコニコとしていて良い人と思われているだけでも
 
 管理者は勤まるが多人数となると恐れられることが必要になって
 
 くる。 

 
「権力を維持するためには、信義に叛き、慈悲心に反し、人間性に逆らい
 
 宗教に違反した行為をしばしばせざるをえない。」 

 
「良い人、愛される上司は後々憎まれるが、恐れられている上司は憎まれ
 
 ることはない。」
 
「経験によれば、信義のことなど、眼中になく狡猾によって人々の頭脳を
 
 欺くことを知っていた君主こそ、偉業を為している。」
 
3.目先の利を求めている者を欺け
 
 「人間というものは単純で目先の利によって左右されるので人間を欺こう
 
 とする人は欺かれる人間を常に見出すことが出来る」
 
騙される人間は儲けようと欲を出している人である、欲を出し過ぎなければ
 
騙されることはない。 

 

三)性善説古典読み下し

 

1.菜根譚   素読音声1,2,3 
 
福は徼(もと)むべからず。喜神〔きしん)を養い以て 
 
福を招くの本(もと)を為(な)さんのみ。
 
 
禍(わざわい)は避(さ)くべからず。
 
 
殺気を去って以て禍に遠ざかるの方を為さんのみ。
 
 
2.菜根譚
 
地の穢(けが)れたる者は多く物を生じ、
 
 
水の清(す)める者は常に魚(うお)なし。
 
 
故に君子は当(まさ)に垢(こう)を含み汚(お)を
 
  
納(い)るるの量を存すべし。
 
 
潔(けつ)を好み、独り行ふの操(みさお)
 
 
を持(じ)す可(べ)からず。

 
3.菜根譚
 
 
人の小過を責めず、人の陰私(いんし)を発(あば)かず、
 
 
人の旧悪(きゅうあく)を念(おも)はず、三者もって徳
 
 
を養ふべく、亦た以て害に遠ざかるべし。
 
 
 陰私ー秘密      小過ー小さなあやまち

4.言志四録     素読音声4,5
 
 
人は月を看(み)るに、皆、 徒(いたずら)に看るなり。
 
 
須(すべか)らく此(ここ)に於て宇宙 窮(きわ)まり
 
 
無きの概(がい)を想うべし。
 
 
5.言志四録
 
 
諺に云う禍は下(しも)より起こると。余(よ)謂(い)う
 
 
是れ国を亡ぼすの言なり。人主(じんしゅ)をして誤りて
 
 
之(これ)を信ぜしむ可(べ)からずと
 
 
凡(およ)そ禍は皆 上(かみ)よりして起こる。
 
 
其の下(しも)より出(い)ずる者といえども、
 
 
而も亦必ず致す所有り。
 
 
成湯之誥(せいとうのこう)に曰(いわ)く、
 
 
爾(なんじ)万方(まんぽう)の
 
 
罪あるは予(わ)れ一人に在りと。
 
 
人主たる者は、当(まさ)に
 
 
この言(げん)を監(かんが)みるべし。
 
 
 
語釈;
   
成湯之誥ー殷の湯王の訓告の言葉 
 
爾万方ー全国すべての人々   監ー理想、見本、
 
 
 
 (四)漢文を素読しよう。
 
 
 (1)菜根譚         素読音声1,2,3 
 
 
 福不可徼。養喜神以為召福之本而已 。
 
 
 禍不可避 去殺機以為遠禍之方而已。 
    
  
 (2)菜根譚
 
 
 地之穢者多生物。水之清者常無魚。
 

 故君子当存含垢納汚之量。
 
 
 不可持好潔独行之操。
  
   
 (3)菜根譚
 
 
 不責人小過。不発人陰私。不念人旧悪。
 
 
 三者可以養徳。亦可以遠害。
           
   
    (4)言志四録    素読音声4,5
 
 
   人看月、皆徒看也。
 
 
     須於此想宇宙無窮之概
 
                       
 (5)言志四録
 
 
  諺云、禍自下起。余謂是亡国之言也。
 
 
  不可使人主誤信之。凡禍皆自上而起。
 
 
  雖 其出於下者、而亦必有所致。
 
 
  成湯之誥曰、爾万方有罪、 
 
 
  在予一人為人主者、当監此言。
 
 
  注記)1998年、自書メルマガー世渡りと生きがいNO、7より          
 
 
  
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