漢文を音読しょうNO,28
 
 
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(一)オバマ大統領,選挙の勝因が決断に足かせ
 
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現在シリア内戦が世界の注目を浴びています。
 
シリアの死者11万人以上が犠牲になっている。
 
多くの犠牲者が出てやっとアメリカが動きだしている。
 
その起因は国際法で禁止されている化学兵器サリンを使用したことで
 
軍事介入の機運が高まった。
 
オバマ大統領はシリア政府に対して武力介入することを決めたと発表した
 
が最後の決断は議会の賛否に一任して最終決断を逃避している。
 
このような判断した原因は三つあるような気がする。
 
1、共和党のマケイン大統領候補と大統領選挙を争ったときに
 
アフガニスタン戦争、イラク戦争を行った共和党を批判、反対したことが
 
勝因となった。
 
2、オバマ大統領自身がノーベル平和賞を受賞している。
 
3、1期4年間の後半に2期大統領選挙を控えていたことでシリア内戦問題を

  
  無視していたこと。

この今回の問題は軍事介入すれば国内問題に禍根を残すだろうし、取りやめれば
 
世界から決断のできない大統領、弱小国に落ちぶれたアメリカと批判されるように
 
なると思われ、どちらの行動をとってもアメリカの世界からの信用失墜は避けられない
 
ことになるでありましょう。
 
今後オバマ大統領の残された任務は無くなっただけでなく、アメリカの世界警察官の役目は
 
終焉してしまう出来事のように感じます。

振り返って考えると大統領となった勝因が大統領の今回の決断を誤らせる主因となったことであり、
 
アメリカの没落を早めたことに繋がったように思われます。
 
 
 
(二)正法眼蔵を素読しよう。
 
正法眼蔵ー 道元禅師(1200〜1253)
 
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全機ー普遍的自己
 
諸仏の大道、その究尽(ぐうじん)するところ、透脱なり、現成なり。
 
その透脱というは、あるいは生も生を透脱し、死も死を透脱するなり。
 
このゆえに、出生死あり、入生死あり、ともに究尽の大道なり。
 
捨生死あり、度生死あり、ともに究尽の大道なり。
 
現成これ生なり、生これ現成なり。その現成のとき、
 
生の全現成にあらずということなし、死の全現成にあらずということなし。
 
語訳

仏道の究極は透脱(とうだつ)であり現成(げんじょう)である。
 
透脱:生においては生を解脱し、死においてじゃ死を解脱すること。

生死を離れること、生死に没入することが仏道の究極である。

生死を捨て、生死を救うことが仏道の究極である。
 
現成:生きることである。生きるとは今ここに我の生命を実現していることである。
 
要訳

人間の生き方の究極は徹底した自己否定とそれによって可能な
 
徹底した自己肯定である。

             参考文献 正法眼蔵 禅文化学院 誠信書房
 
 
 
(三)日本外史を素読しよう。
 
    日本外史ー頼山陽著 頼成一訳
 
       巻十四 徳川氏前記 織田氏下
 
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天正二年正月元日、 近畿の将士、悉く正を岐阜に賀す。
 
信長、之に酒を賜う。酒三行、衆に謂って曰く
 
「我佳肴有り。請う、飲を侑(すす)めん」と。
 
左右をして一函を取り来らしめ、之を座上に置く。
 
衆、目を属す。 信長、柴田勝家に 觴(しょう) して 
 
                       
手づから其の蓋を開けば、則ち義景・長政の首なり。
 
塗るに金粉を以ってす  諸将皆笑って曰く
 
「此の好下物有り、何ぞ満酌を辞せん」と。
 
信長曰く「吾れ京畿を計略して、二患の礙(さまたげ)る所と為ること数年。  
                         
卿等、吾が為に労を積み苦を累ね、以って誅斃(ちゅうへい)を致すを得たり」と。
 
因って各々刀剣を賜い、驩(よろこび)を極めて罷む。
 
佐佐成政、留まって白して曰く。「臣、無似、諸将の後に従い
 
叨(みだり)に 洪恩を被る。
 
報ゆる所を知らず。 唯だ願わくば「君自ら足れりとせず、遂に四方を定めよ」
 
信長、大いに悦び、成政の手を握り、室内に入り與に政治を談ず。
 
侍史武井夕庵、傍(かたはら)より之を賛して曰く
 
「図らざりき、成政能く此の言を為さんとは。君忽せにする勿れ」
 
と信長、厚く二人に賜う。
 
 
語訳
好下物:良き肴
 
 

 

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