古典を音読しょうNO,84

                                                              

 
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(一)食の乱れは国家の乱れ
 
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19歳の女性が人を殺して見たかったと言う理由で殺人を犯した事件がありました。

このような悲惨な事件がどうして身近に起こるのでしょうか。

長年多くの専門家が考究されていますが結論は未だに出ていない実状であります。
 
しかし正食、自然食業界ではこのような小大事件の基は食の乱れから起きていると

結論が出ています。

自然食業界において子供のいじめ、子の虐待、犯罪の多発の基は食の乱れから発生

していると発表しています。

砂糖と肉の取り過ぎが血液の汚れを加速させて人間の判断力を鈍らせて多くの人間

との摩擦を生じて犯罪を多発しているのです。

砂糖の化学式は  C6H12O5    遅効性

コカイン化学式は C17H21O4N   即効性

効果が早く出るものは取り締まりで禁じられているが遅効性の砂糖は自由に食すこと

が出来ることで頭脳を麻痺させています。

麻薬より市販されている砂糖の方が危険性が高く多くの事件の要因になっているの

です。

肉食の害については、動物性たんぱく質を豊富にとっている国民は出生率が悪くを粗

末な澱粉食(粗食)摂っている民族ほど出産率が高いという結果が出ています。

日本人の健康食は何と言っても玄米食(又は七分つき胚芽米)を適度に摂ること

です。 ミネラル分である糠部分を精米でなくして白米にして摂る食事では明治時代

の日露戦争時代は戦死した数より脚気による死者の方が多かった時代を彷彿すること

になっています。 人間の身体を動かす神経はミネラルが不足して寝たきりになる

のは白米(糠を削った粕)だけを食べているので動かそうと思っても筋肉と神経との

仲立ちをしているミネラルを食べないことが最大の原因で有ります。

日本人は少なくとも胚芽米(玄米)と納豆と自然塩(ミネラル豊富)を食していれば

死ぬまで健康を保つことができます。
 
参考文献

食物崩壊 西丸震哉  講談社

食事を変えなければ大和民族は衰亡する 一倉 定  致知出版社
 
 
(ニ)聖徳太子、十七条憲法を音読しよう。

 聖徳太子(574〜622) 

一条〜三条はNO30を参照ください。

今回は四条〜八条まで音読しよう。
 
   音読音声
   
四に曰わく、群卿百寮、礼をもって本(もと)とせよ。

それ民(たみ)を治むるの本は、かならず礼にあり。上礼なき

ときは、下(しも)斉(ととの)わず、下礼なきときはもって必ず罪あり。

ここをもって、群臣礼あるときは位次(いじ)乱れず、百姓礼あるときは

国家自(おのずか)ら治(おさ)まる。
 
五に曰わく、餮(むさぼり)を絶ち、欲を棄(す)てて、

明らかに訴訟を弁(わきま)えよ。それ百姓の訟、一日に千事あり。

一日すらなお爾(しか)り、況(いわ)んや歳(とし)を累(かさ)ぬるをや。

頃(このごろ)、訟を治むる者、利を得るを常となし、賄(まいない)を見て ことわり

 を聴く。すなわち、財あるものの訟は、石を水に投ぐるがごとく、乏しき者の訴は、

水を石に投ぐるに似たり。ここをもって、貧しき民は則ち由(よ)る所を知らず。臣の

道またここに闕(か)く。
 
六に曰わく、悪を懲(こら)し善を勧(すす)むるは、古(いにしえ)の良き典(のり)なり。

ここをもって人の善を匿(かく)すことなく、悪を見ては必ず匡(ただ)せ。

それ諂(へつら)い詐(あざむ)く者は、則ち国家を覆(くつがえ)す利器(りき)たり、

人民を絶つ鋒剣(ほうけん)たり。また佞(かたま)しく媚(こ)ぶる者は、上(かみ)

に対しては則ち好んで下(しも)の過(あやまち)を説き、下に逢(あ)いては則ち上の過

(あやまち)を誹謗(そし)る。それかくの如(ごと)きの人は、みな君に忠なく、民(た

み)に仁(じん)なし。これ大乱の本(もと)なり。
 
七に曰わく、人各(おのおの)任有り。掌(つかさど)ること宜(よろ)しく

濫(みだ)れざるべし。それ賢哲(けんてつ)官に任ずるときは、頌音(ほむるこえ)すな

わち起こり、奸者(かんじゃ)官を有(たも)つときは、禍乱(からん)すなわち繁し。

世に生れながら知るもの少なし。剋(よ)く念(おも)いて聖(ひじり)と作(な)る。

事(こと)大少となく、人を得て必ず治まり、時(とき)に急緩となく、賢に遇(あ)いて

おのずから寛(ゆたか)なり。これに因(よ)って、国家永久にして、社稷(しゃしょく)

危(あや)うきことなし。故(ゆえ)に古(いにしえ)の聖王(せいおう)は、官のために人

を求め、人のために官を求めず。
 
八に曰わく、群卿百寮、早く朝(まい)りて晏(おそ)く退け。

公事暇なし、終日にも尽しがたし。ここをもって、遅く朝れば急なるに

逮(およ)ばず。早く退けば事(こと)尽さず。
 
参考文献 聖徳太子 憲法十七条 梅原 猛 小学館
 
 
(三)翁(おきな)問答を音読しよう。

中江藤樹(1608〜1648)

江戸時代初期の儒学者。わが国の陽明学の開祖。近江国(滋賀県)の生まれ。
  音読音声
 
問曰
五倫のみち、其の名をばうけたまわり候へども、詳しい理由は存じません、全孝の心法日用の

急務にて候へば、つまびらかに承りたく候。
 
師曰く(つづき)

真実にこの関係を理解しない人は、心は身体の内部にのみ在ると考えたがるが、根本

はこの身が心から生じたと考えるのが正しい。心が小、身が大なのではなく、心が

大、身が小の関係にあるのだった。斯く真に心と身との関係を知った人の眼からは

両者が内部と外部、暗と明、有と無との差別としては映じない。五常を内、五倫を

外とのみ考え、内部と外部、暗と明、有と無との区別を立てる人々は、一見悟った

ようで、実は大きな誤謬を犯しているのだ。明瞭に似て曖昧の儘で置くのがその人々

の態度だと断言出来る。五倫の道を詳細に論ずれば、五典及び十義となる。

五典とは前述した親、義、別、序、信で、十義とは父は慈、子は孝、兄は良、弟は

悌、夫は義、婦は聴、長は恵、幼は順、君は仁、臣は忠との関係となる。

其の中でも子の孝行とは、人間の百行の基本であり、人倫第一の急務なので、聖人は

五教を説かれる場合に、第一番に「父子に親有り」と言われた、、孝徳を明らかに

しようと思えば、先ず何物を置いても父母から受ける恩徳を考えるのが必要である。

妊娠の最初から十ヶ月の間に、その母はどれ程苦しみ、迫って来る死を胎児の為に

払い除けようとするか。又父は胎児の健康、妻の安産を願いつつそれに伴う不安で

如何に日々を心労するか、更にいよいよ出産となれば母の身は切り割られるように

覚え、父の心は刑場に臨んだ罪人のように狂い煩える。

それも幸いにして過ぎ、無事安産となって、各自は一命を次の時代に続ける喜びを

感じあうが、真の労苦は寧ろ其の後のニ、三年間に在ると言ったほうが適切かも知れ

ない。母は自分は濡れた布団に寝ても我が児を乾いたものに包み、子が十分に寝入ら

なければ、身を自由にはせず、身体には垢が積もっても沐浴の暇すらもなく、平常

の着物までも取り乱して、帯を解く間もなく我が子の世話に手を掛け、無事安穏を

願う以外はない。
 
これ程大切に育てる我が子が、若し病気にでもなった節には、父母は如何ほど悲しみ

あうであろうか。必ずや出来る限りの手段で医を求め、若しくは自己の身代わりに

して子の恢復を神に祈るに相違ない。母親の乳から離れる約三年の間に父母の労苦は

一々挙げ切れない者がある。
 
 参考文献
   中江藤樹、熊沢蕃山集 大日本思想全集刊行会
 
 
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