古典を音読しょうNO,97

                                                              

 
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(一)日本技術大国のカラクリ                        2015.6.10
       
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日本は世界から技術大国と言われておりますが、なぜ世界から飛び抜けた技術に持つ

国家になったのであろうか。

他国と日本の技術にはそれ程差はないと思われるが世界から見ると技術が進歩してい

ると思われている。何故そう思われているのでしょうか。

それは表面的で、生活上に使用されているものに便利な物が多いことからではないか

と思われます。生活関連にしても文房具、新幹線、医療器具まで幅広い分野がありま

す、特に日本人の軽薄短小にすることが得意であり世界から入ってきた器具を小さく

薄く使用しやすく便利にして改良輸出してしまう改善力を持っています。

従ってカイゼン(改善)という日本語が諸外国に使用されていることでも知られてい

ます。 しかし一番の特徴は生活全般ですから子供から大人まで、老若男女が改善、

品質改良や新発見があれば主婦であっても家具、道具の改善に熱心に取り組んで発明

に名乗りをあげることが目立っています。

子供であっても不便なものがあると必死に考えて新しい遊びを考えて新しい物品を創

り出す習慣が生まれています。

従って女性の身だしなみについても、若い中高女子のフアッションから新しい流行が

生まれ、それが世界の流行の先端になっているのが日本の姿であります。

その根底に自由、平和な生活があることから生まれるのではないでしょうか。

そして国際的に日本は軍事関係の飛行機製作を禁じられていたことが、新幹線という

世界に冠たる製品を生み出し零戦戦闘機の技術者が新幹線のスピードを上げて、

600キロのリニアー超特急を創り出した原動力になっています。

生活関連しか製造できない世界からの締め付けから自動車でも世界のトップになる会

社を数社も生まれる基になっています。

生活関連の水洗トイレ、電気釜、便利な文房具、新幹線、自動車、電機医療器具など

で新発明を繰り返して世界に製品を送り出しています、その結果がアメリカ、ロ

シャ、ヨーロッパ、チャイナ、東南アジアへと行き渡っていきます。

これは生活関連の国民全員のアイデイア、発明の成果であります、その生活関連技術

から人工衛星、軍事産業への応用へと拡大延長していくことが日本の最大の特徴であ

ります。
 
外国では軍事関係に力を入れて、其の分野だけに多くの総力を注いでおりますが、一

部の優秀な人々だけが考えだした製品であり、その一大発明の一部が生活関連に流れ

てくるだけであります。
 
日本技術の特徴は国民の老若男女の全員のアイデイア、発明、勤勉さの総力であり、

それに加えて国民全員が30代先祖を遡ると大部分の家系が天皇家の2600年家系

に繋がり長い歴史で培った過去の伝統文化の折り紙、日本刀、浮世絵版画、歌舞伎、

能、などの歴史文化がそれらのアイデイアに深みを増して奥行きのある伝統が製品の

表面から醸し出す妙玄さが世界の人々を魅了しているのでしょう。
 
 

(二)言志四録を音読しよう。

佐藤一斎   江戸、明治維新の3000名の志士の儒学の先生であり

西郷隆盛、坂本竜馬、勝海舟、福沢諭吉,吉田松陰など参千人志士の

直接、間接の師匠であります。
 
  音読音声 
 
○君道と師道

聡明叡智にして、能く其の性を尽くす者は君師なり。

君の浩命は即ち師の教訓にして、二つ無きなり。

世の下るに及びて、君師判る。

師道の立つは、君道の衰えたるなり。

故に五倫の目、君臣有りて師弟無し。師弟無きに非ず。

君臣即ち師弟にして、必ずしも別に目を立てず。

或ひと朋友に師弟を兼ぬと謂うは誤れり。

参考文献

言志四録  川上正光訳   講談社
 
 
(三)留魂録を音読しよう。

作者:吉田松陰 ーー素読と武士道 NO25,26 参照
 
三章
  音読音声  

吾が性激烈怒罵(どば)に短し、務めて時勢に従ひ、人情に適するを主とす。

是を以って吏に対して幕府違勅(いちょく)の已むを得ざるを陳(ちん)じ、

然る後 當今 適当の処置に及ぶ。其の説常に講究する所にして、具(つぶさ)に、

対策に載のするが如し。是を以って幕吏と雖も甚だ怒罵すること、能ず、

直に曰く、

「汝 陳白する所 悉く的當とも思はれず、且つ卑賤の身にして国家の大事を議すること

不届きなり」。余 亦深く抗せず、「是を以て罪を獲るは萬萬(ばんばん)辞せざる

所なり」と云て已みぬ。幕府の三尺、布衣、国を憂ふることを許さず。其の是非,

吾會て辯争せざるなり。

聞く、薩の日下部以 三次は對吏の日、當今政治の 缺失を歴詆して、「是の如くにては

往先五年の無事も保し難し」と云ひて、鞠吏を激怒せしめ、乃ち曰く「是を以って死罪
 

を得ると雖も悔ざるなり」と。是 吾の及ばざる所なり。子遠の死を以て吾れに責むる

も、亦此の意なるべし。唐の段秀實(だんしゅうじつ)、郭義(かくぎ)に於ては彼

が如くの誠悃(せいこん)、朱(しゅせい)に於ては 彼が如くの激烈、然しからば

則ち英雄自ら時措の 宜きあり。

要は内に省りみて疚ましからざるにあり。抑々亦人を知り幾を見ることを尊ぶ。

吾の得失、当に蓋棺(がいかん)の後を待ちて議すべきのみ。

参考文献 吉田松陰留魂録  古川薫訳  徳間書店

     留魂録吉田松陰死生観 松浦光修訳 PHP
 
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