丈夫で長生きするような名前をつけてほしいと

檀那寺（だんなてら）の和尚さんに頼む。

「寿量品」（じゅりょうぽん）というお経の文句や古事

来歴などを聞かされて、あれをつけてこれを

つけないと、後で後悔するようなことになっては良くない

と教えてもらったことを全部、名前につけたので、

「寿限無、寿限無　五劫（ごこう）の擦り切れ

海砂利水魚の水行末（すいぎょうばつ）

雲行末（うんぎょうばつ）風来末（ふうらいばつ）

食う寝る処に住む処

やぶら小路の藪柑子（やぶこうじ）

パイポパイポ パイポのシューリンガン

シューリンガンのグーリンダイ

グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの

長久命の長助」という、

とんでもなく長い名前の子供ができてしまった。

この名前が良かったのか、元気にすくすくと成長して、

ある日のこと-おじさんとこの

「寿限無、寿限無　五劫（ごこう）の擦り切れ

海砂利水魚の水行末（すいぎょうばつ）

雲行末（うんぎょうばつ）風来末（ふうらいばつ）

食う寝る処に住む処

やぶら小路の藪柑子（やぶこうじ）

パイポパイポ パイポのシューリンガン

シューリンガンのグーリンダイ

グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの

長久命の長助」にぶたれてこんな大きな瘤ができたァ。

と喧嘩友達の子が泣いてくる。

「ちょいとお前さん、うちの

「寿限無、寿限無　五劫（ごこう）の擦り切れ

海砂利水魚の水行末（すいぎょうばつ）

雲行末（うんぎょうばつ）

風来末（ふうらいばつ）食う寝る処に住む処

やぶら小路の藪柑子（やぶこうじ）

パイポパイポ パイポのシューリンガン

シューリンガンのグーリンダイ

グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの

長久命の長助」　が金ちゃんの頭をぶって、大きな

瘤をこさえちまったんだってさァ」

なに、うちの

「寿限無、寿限無　五劫（ごこう）の擦り切れ

海砂利水魚の水行末（すいぎょうばつ）

雲行末（うんぎょうばつ）

風来末（ふうらいばつ）食う寝る処に住む処

やぶら小路の藪柑子（やぶこうじ）

パイポパイポ パイポのシューリンガン

シューリンガンのグーリンダイ

グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの

長久命の長助」が金坊の頭をぶって、瘤をこさえた？

どれどれ・・・？　　　なんだ、瘤なんかないじゃないか」

「あまり名前が長いから瘤がひっこんじまった」