素読の効用                   

                        

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(1)素読の効用


 素読とは、同じ文章は1回読んで終わるので無く、少なくも100回は声を

 出して唱和する行いをいう。

 

 現代は知識の時代であるが頭脳の表面に記憶するので無く隠れた意識に

 刻印させることが目的である。



 表面意識とは顕在意識ーー隠れた意識とは潜在意識である。

 顕在意識に教えるので無く、潜在意識に刻印することが素読の目的である。
  

 江戸時代、明治初頭までこの素読教育が主であった。その明治維新の志士たちは
  

 この教えにより行動力が得られたのである。

             

 最近静かな脚光を浴びるようになった教育法がある、暗号解読法という英語教育

  である。 これは上智大學の学長グレゴリ―・クラーク氏の提唱する教育法である。

  全く解らない外国語をテキストは見ないで何回も聞く。この暗号的言語を次に何回

  も発音してみる。 その後辞書を引いて解釈する。この教育法を一流大學が取り

   入れ良い成果をあげている。

     

   この方法は日本の素読教育そのままである、知識を多くするので無く、只素読して

    潜在意識に刻印する、わからないはずの漢字軍がいつのまにか、解ってくるその

    時は自らその言葉の内容を体得している自分がある。

                                            

 

     この体得した素読教育法を英語、外国語を習得するのに、活用すれば今のように

     10年経ても会話ができないことはない。 

       

左脳と右脳

  ひらかな混じりの文章は左脳、言語意識が働き漢字だけの文章を素読する
 

  ことは、右脳、イメージ意識が働く。速く漢字だけで素読するようにする。
 

   但し暗記する努力はしない方が良い、努力とは顕在意識が活発となる
 

    潜在意識に刻印するには何回も素読することである。



     ここでまだ疑問を持っていると思う、これは解釈がないことである。 これが素読法

     の特徴である。知識教育ではないのである。暗号解読法と先に記したが暗号の解読

     を潜在意識に委託するのである。 100回も素読すると解らない筈の漢字軍の内容

     が解ってくるのである。 潜在意識から顕在意識に伝わってくるのであります。

     現代教育とは全く逆である、顕在意識から潜在意識が現代教育法である。2,3回

      読んで学習して潜在意識には伝わらない、理屈だけの教育になり応用の効か
 

      ない知識教育に終わっている。 これを打破するためにはこの素読の行である。
      

       潜在意識とは身体から表現されるようになっていく。次より少しずつ解明していこう。


 
       (素読の行とは漢文を大きな声で朗読する行いを言う。眼、口、耳から五官すべ
  

        てを使い古典的な語群を唱和して潜在意識に刻印して行く方法である。 )

               

 

      ( 2)素読の効用
 

   東洋古典の師の記述に、毎日素読している漢文を出先だったので資料がない、従い
   

   5分程の内容を暗唱する、しかし口に任せて暗唱している時は淀み無く、口から言葉
 

   が出るが、意識的にその言葉を考えようとすると、口から言葉が出なくなる。
 
 
 {口に任せて暗唱する。}この言葉の意味は素読の妙味を示している。今考えて
 

   いる意識をゼロにして、隠れた意識に全て任せて朗読しているのである。
 

    素読とは、意識をゼロにして、只声を出して唱和する、そうすることで隠れた意識に

 

 深く刻印された内容の漢文が自らの性となり、行動に表現されるようになっていく。


    現代は知識豊富な人は多くいる、しかしその知識を他人を批判することに、使用
 

  して、自らに活用することが出来ない、その最たる人たちがキャリアと呼ばれる人
 

  達であろう。一般的に考えて遊び場へ行けば、ごみの山、歩いてタバコを
 

  吸う即捨てる、道徳知識と道徳行動は別である。


 
   ここで考えることは知識ではいけない、覚えたことは行動力に活かせなければ、
 

   真実の知恵ではない。  ここで素読を行うのであるが表面の意識に記憶するので
 

   なく、その奥の潜在意識に刻印することを目的としている。 知識は無視するので
 

   ある。 只只声を出し、素読するのである〔素読) 解釈は潜在意識に任せるので
 

   ある。一年、二年経て潜在意識が深い意味を味わい教えてくれるのである。
 
 
   その時素読の内容は体得していて、行動力、態度として、言葉として身体から滲み
 

   出ているのである。そのためには素読は一文章を100回以上は行う必要がある。
 

   貝原益軒師が和俗童子訓の著書のなかで四書五経を100回素読することは将来
 

   の財産となると述べている。

 

   この素読は3歳5歳ぐらいから80歳以上の人に有効に働く、幼い子は難解な漢字
 

   の方が速く覚えるとデータに出ている、それは漢字は右脳でイメージ脳が働くか
    

   らである。80歳以上の人には声を出すこと、同じ文章を刻印することは脳を活性
 

   化することに役立つのである。  

   

  従い3歳から100歳まで大いに素読を薦める理由である。 幼い子供には先ず絵本

  を、偉人伝を同じ絵、文章を見せながら何回も読んで聞かせ子供にも声を出させるの

  である。 1回読んで終わるのでなく100回以上聞かせて読ませるのである。 

  その内容が子供に理解できなくとも、5年後10年後子供の身体から表現されてきま

  す。ーーここで悪い例で、今17歳の人達の行状が問題となっているーこれは3歳

  5歳の時何が流行したのかを調べれば根因をつきとめる事ができる。−−−−

  現代は知識の時代、情報社会であり速読が好まれる。この素読は遅読である

  100回の素読が深く頭脳に浸透し、他人の頭脳の深理を見抜く力、周囲に

  影響力を与える人格、人間関係を改善、思うまま動かす行動力が滲み出て、

  明治維新の志士たちの如く日本を根っこから変える人達が育成されるはずで

  ある。それだけでなく世界をも動かす群團が深心理から根付き、世界維新を

  成し遂げることは、深心理、宇宙意識に2000年〜3000年の普遍の叡智を

  各自が刻印することである。


                      

 
  敬とは何か、現代は、敬の念が一番不足している観がある、敬とはーーうやまう
 
  高いものに対して抱く感情、親に対して敬する、目上に対して敬する、自分より勝る

  者を敬する、この敬することがあって始めて、自分にその人の良さを学び取ることが
 
  できる。高き所から低いところに学びが流れてくる。現代子は親に対して学校の先生

  に対して、目上に対して、政治記者は、政治家は総理大臣に対して、敬う気持ちを

  持って意見は述べていない。 すべて批判を述べて、自分を主張することに必死に
 
  なっている。敬がない学は形のみで社会に活用できない知識を暗記しているのである。

  敬の無い学は損得だけを、他人の批判を勧めて、自分のために他人のために何をする


  かが無くなってきている。 改めて 敬を学習し、自分自身を見なおそう。
      

  (3)素読の効用

  このHPにおいて

   道徳だけを解こうとする考えはありません。儒教の教えは1部であり西洋の教えも入
 

   って来るでしょう。 また韓非子も、戦国策も、兵法も入れていきます。
 
   性善的教えを取り上げ、性悪説も解き、策略的兵法もいれる、西洋の聖人の言葉
 

   も入れていきます。 性善的教えは解釈は重きをおきません。解釈をいれると深い
   

   妙味のある語彙が味わえなくなるからです。 性悪説の場合は解釈を入れていきます。
   

     我々は不明と思われる漢文を何回も読んでいると、潜在意識が深い意味を
 

   解釈し体得していきます。その体得が遅い場合10年ほどかかる場合があります。
   

   しかし全ての人が人間智と思えないような最高叡智である潜在意識をもっていま

   す。暗号解読の方法を潜在意識は既に知っているのです。


   その叡智を邪魔をするのは、顕在意識に詰め込まれた大量の知識です。 日本語

   である漢文は、100回以上素読すれば潜在意識が解釈してくれます。
 

   従い素読は瞑想をする如く何も考えないで声を出し潜在意識に刻印するのです。

   もし考えて暗記しょうとすれば顕在意識に止まってしまい、暗号解読が行われません。

   無の気持ちで只、只声を出し、唱和、素読するのです。 


   お経はどうですかと言われることがありますが、お経はインド語の音感を漢字に
    

   変えています。したがい真実の意味は曲折されています。 

   何回読んでも意味が伝わって来ないお経は数多いと思います。



  このように素読をして潜在意識に漢字群を積み上げていくのです。ここは土台でも

  あり根っこでもあります。 この漢文を素読し、時に資料を見ずに唱和するとき

  只口が動き、無意識に唱和するようになればその時からその漢文の内容が潜在意識

  に根付き、漢文の叡智を体得し、言動に活用しているのです。



   素読する時漢文を必ず見て声を出し耳で聞き常に五官を刺激することが重要です。

   現代は知識を、解釈を得ることを欲しています、しかし詳細に解釈すれば顕在意識
 

   が活発になり、他人を批判するだけの知識に終わってしまいます。  

   次に古典大学を記しました。その大學を100回以上素読してその漢文の内容を心の

   

   内で暗号解釈してどのように体得できるかです。

   この2500年の叡智を漢文の奥にすべての分野に通じる暗号が秘められています。

    その解釈をすることは言葉になります。言葉にした時その妙味が消えます。

    只、只この古典大學を100回以上素読しょう。そして自らの頭脳の中からその暗号

    解読の回路を!見つけてみよう。

    本を紹介ーー同文書院ーー著者は上智大學の学長


    グレゴリ―・クラーク先生の「暗号解読法」があなたの英語に奇跡を起こす!

   ーこの本の中に短期間に英会話を話すための秘密が記されている、その手法が

   現在一流大學でとり入れられてきた。この手法は江戸、明治維新の志士たちが

    学んだ素読と全く同一システムである。

            


 遠い虹は見えるが、近い虹はよく見えない。これと同じように現代に起こっている

 数々の出来事も、真実はどちらかを見極めるのは難しい。現在の常識と20年後の

  考えが全く違うことが多々ある。森総理のカミ発言にしても60年前の常識、現代は

  カネの国ー日本〔経済大国)と言えば異論はなかったのである。 しかし一般の人達

  は新年になると神社に何千万人の人達がお参りする。これもカミのためで無く、カネ

  の祈願のために行くのである。しかし心の奥にはカミに願う気持ちがあるから神社に

  行くようになるのであろう。

    

  首相に向かって、一記者が「失言など気にせず自分の考えを堂々と話して下さいよ」
  

  と注文をした。その日にこの発言に対してテレビ局が報道をしたがこれに対して
   

  のコメントは何もなかった。 この一記者のこの発言に日本の敬のない、礼の無い
  

  社会であることを物語っている。 すべての会社組織、子供社会、学校組織、
  

  親子関係に全てにおいて上司、目上に対して、上位に対して堂々と批判する
  

  者が偉い、立派な人間、と思わせる風潮がある。
  

  その意見の中に敬(うやまい)の考えが一片もないのである。 
  

  本当に批判することが偉いのであろうか。

  子供社会も同じことが以前より起こっている。
   

  先日、テレビで文部大臣が子供たちを集めて、子供達の考え方、意見を
     

   聞く場を設けて、話し合った後、レポ−ターが一人の子供の感想を聞いた
   

   文部大臣と話し合って、何を話したのですか。


   
   「質問の内容が、はっきりしていなくて、解からなかったが適当に答え
   

   ておきました」小学校5年生の子とは、思えない大人ぶった返答では
   

    ないか。
   

    本人にとって、カッコいい、自分はすべてを知っている。馬鹿な大臣
    

    が変な質問ばかりしていたよ、友達に話して得意になっている態度が
   

    浮んでくるようである。 小学生から敬う心のない子供では、今は怪童、
   

     将来はただの人以下になってしまう。
    
    

    この子供たちの敬のない態度と 知識すべて知識過剰、実生活では
   

    全く役に立たない理屈だけになり、大人は馬鹿だと思わせるようにな
   

     っているのである。 このことが、いろいろな事件の基と成っている。
  
   学校の先生は、駄目だと思わせる教育、英語の教育を10年以上学んでも
    

     英会話はできない教育こそすべて知識偏重、単語は、多く知っているが
   

     実践的会話は出来ないことに似ている。
 
    今までは顕在意識だけの教育であった、その教育が知識だけで実践でき
   

    きない、活用できないことが証明されてきた。これからは潜在意識の教育
   

    を行いその潜在意識から顕在〔表面)意識の教えに自らの努力により移行
   

     して行く教えが望ましい。その教えこそ素読である。

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